こんにちは、第百回目はグランドセイコーの新型スプリングドライブキャリバー「9RA5」についての解説です。
2020年に発表後2022年くらいから本格的にモデルに載せられ始めたムーブメントで世界的にもほとんどセイコー独自といえるスプリングドライブを搭載した究極進化モデルとなります。
9R65からの進化した点としては
1:パワーリザーブが72時間から120時間に伸びた
2:精度が±15秒/月から±10秒/月に向上
3:薄型化として9R65よりも約1mm薄くなった
主な点としてはこの3つだといえます。通常のロングパワーリザーブきのようにパワーリザーブが半分以下になると精度が大きく悪化すということなく最後まで高精度を誇る点は素晴らしいです。
薄型化もわずか1mmと思われますがこの1mmというのが非常に難しい作業です。ロングパワーリザーブ化でゼンマイも大きくなったところでの薄型化は想像を絶する難易度です。
また、このムーブメントは最初はダイバーモデルに搭載されたようにより頑丈に作られています。
このモデルが出たことで機械式同様に通常機種に9R65、上級機に9RA5の搭載で棲み分けが行われていくでしょう。
9R65でも他社で製造がほぼ不可能でしたが9RA5の登場で他社はこのスプリングドライブ(準じるもの含めて)の開発は諦めざるをえないものとなったと思います。
クォーツ部分などは先行しているシチズンにもあるようにまだ改良の余地があると思うので、今後はこの9RA5は一部の自動車メーカーのように年次改良などいていってくれると話題が尽きないと思います。