こんにちは、第百十三回目のレビューはグランドセイコー SLGH005新型のメカニカルハイビートモデルです。
グランドセイコーの次世代機械式ムーブメントとなります。
正直決して安い値段とは言えないのですが既にどこの店も初回入荷分は完売とのことらしく安定供給は夏ぐらいまでかかりそうな勢いです。
総合評価: 92点
(各項目25点満点)
デザイン: 23点
デザインは、グランドセイコーらしくシンプルにまとめています。しかしところどころに非常に考え抜かれたものとなっています。
今回から新しいデザインコードを採用しており、分かりやすいところではブレスレットの幅が大きくなりました(20mmから22mm)
それによりより逞しい見た目となっています。
また、ベゼルも今まではなだらかな傾斜をとっていましたがこのモデルはかなり鋭角に角をとっておりベゼルの幅を狭く見せることでより大きく感じます。
また、この時計の一番の特徴は雫石の白樺をイメージした文字盤です。
非常に陰影のハッキリした文字盤となっています。また、筋それぞれにこまかいテクスチャーを施しています。これはプレスで作っていますがこのテクスチャーはプレスでは不可能なのでおそらくプレス後の色付けのときに工夫をしたか、色付け後にサンドペーパーを用いたかでしょう。また、このでこぼこした表面に完璧に印字を施しています。
HI-BEATなのが完璧に均一になっています。
これだけ見ても恐ろしいほどの技術力が分かります。
外装: 22点
外装はグランドセイコーらしくしっかりとザラツ研磨が施されています。
あと、さりげないところですがグランドセイコーはリューズが大きく刻みが深く細かいので非常に回しやすいです。
厚みは11,7mmと今までの9Sモデルよりも1mm以上薄くなりました。これは今までいろんな人から言われてきたことなのでしょう。それでもできればあと1mm頑張って欲しい。
ブレスレットも厚みが増しました。これにより重量が均等になって付け心地が安定するということですがたしかにケースは安定しています、しかも重量は10%ほど増えただけに抑えています。
ムーブメント: 25点
100万円前後の時計のムーブメントとしてはオメガの8500系と並んで間違いなくNO1です。
テンプをいままでの片持ちから両持ちに変更しより衝撃などに強くなっています。
また、最も理想的な巻き上げひげを採用することで非常に高い精度を長く維持できます。
ムーブメントは非常に綺麗に仕上げが施されており、パテックフィリップなどのさらに上級モデルほどではありませんが手作業と機械での仕上げで最高クラスのものに仕上がっています。
機械式時計の今後10年のベンチマークとなることでしょう。各社グランドセイコーのムーブメントに少しでも近づけるようにこれから開発競争が一段と活発化しそうです。
コストパフォーマンス: 22点
ついに機械式で100万円を越えてきました。ロレックスやオメガの似たモデルよりも高いです。確かにこれだけのムーブメントであれば仕方ないと思います。
グランドセイコーはスイスブランドと違って値上げのサイクルが長い為数年後には他ブランドもこの価格帯になってくると思います。
分かりやすく高い時計を欲しがる層とは真逆のさりげないけれど良いものを持っている、分かっているひとが選ぶ時計だと思います。
世界最高峰のmade in japanを手に入れる満足感は非常に高いと思います。