こんにちは、いよいよ今年最後のレビューとなりました!!記念すべき第百回目のレビューはグランドセイコー SLGH003 60周年記念モデルです。先行の限定モデルは500万円位しているのでそれよりはかなり手の届きやすい新型ムーブメントの登場です。
総合評価: 91点
(各項目25点満)
デザイン: 21点
デザインは原点回帰なのかオーソドックスなデザインで「グランドセイコー」らしいものになっています。
このモデルはブレスレットがストレート(徐々に幅が狭くなっていない)となっています。おそらく塊感と力強さを出す為でしょうか。
まさに羊の皮を被った狼といったところでしょうか。
外装: 21点
外装はザラツ研磨を施した非常に良い仕上げになっています。
針やインデックスもやや太くなっているようで今まで以上に押し出し感をさりげなく出しています。
ブレスレットがストレートになりデザイン面では力強さを出した反面つけ心地を若干犠牲にしコスト抑えた感が出ていますのでここは減点です。
厚みは11,7mmと今までよりも1mm以上薄くしました。香箱を2つ倍増し、巻き上げひげを搭載して薄くするというのは非常に困難だったと思いますがよくやりました。
ムーブメント: 25点
このムーブメントは色々と世界最高といえるものが揃っており、100万円前後の時計としては現在無双の出来となっています。
また、見た目も非常に高級感があり今までの9Sと全く別物です。
テンプは錘のスクリューをつかったフリースプラングを使用。また調整可能な巻き上げひげ(ブレゲひげ)を採用し等時性を向上させることもしています。セイコーも10年ぐらい前からすでにフリースプラングの特許もとっていたようですがそれから改良を重ねてこの時期に発表ということで新型機ながら初期不良が極めて少なそうな気もします。
脱進機も新設計でぜんまいの力を今まで以上に効率よく伝えるものになっている。(しかも10振動で!)
パワーリザーブも80時間になり従来よりも35%アップしました。世界一長く動く10振動です。
現状このムーブメントに競合できるのはこの価格帯ではオメガだけで、今後はこの9SA5をベンチマークとしてロレックスをはじめ各社新型ムーブメント(出したばかりですがまた画期的なものを)作らないといけないことになりそうです。
コストパフォーマンス: 24点
最強のムーブメントを60周年という時期に合わせて出してきました。同時に今までの機械式時計の序列を根本から覆す非常に挑戦的なムーブメントとなっています。
100万円は高いと感じるかもしれませんが、これからこれよりも極端に安く出すということは考えにくいので(せいぜい80万~か)限定というのもあるので気になる方はお早めに。