頑張れ国産時計のブログ

国産4大ブランド(セイコー、シチズン、カシオ、オリエント)を実際に販売員の立場からレビューしてます。日本の時計は非常に高品質でありながら価格的にはとてもお得感のあるものばかりですが販売している現場の人間としてもっと評価されるべきだと感じています。是非、これから国産時計を買おうかまた、スイス時計を買おうかという人にも参考になればと思います。

レビュー シチズンエコドライブワン AR5055-58E 頑張れ国産時計のブログ

こんにちは、第二回目のレビューはシチズンエコドライブワンになります。

 

こちらの時計は話によると前社長の戸倉氏肝いりの企画だったそうです。少し沈静化しましたが世の中大きく厚い時計が人気のあるなかでの発表だったので社内でも混乱があったようです。しかも金額が350,000円(当時)からというので売れるのか?というのもあったのでしょう。

蓋をあけてみればかなり売れました。特に世界限定800本で700,000円(税抜)のモデルは瞬く間に完売しました。

 

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今回はこちら、AR5055-58Eです。通常モデルですがシチズンコンセプトショップでの取り扱いのようです。シチズンの中では高めの400,000円ですがよく売れます。こちらは皆さん100%着けた時にその薄さに驚きます。

 

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ムーブメントは世界最薄の1mm、シチズン二次電池に1mm以下のものがなかったことから電池メーカーと1mm以下の二次電池を共同開発したそうです。パーツもこのエコドライブ用にネジから歯車まで生産しました。この辺りはパーツだけでなくパーツを作る工作機械も製造している世界で唯一の時計メーカーとしての面目躍如です。

 

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ケース厚が2,98mmという薄さ、ブレスレットのほうが厚いというのがすごいです。

これで防水性能も日常生活防水ありますからばっちり日常使いできます。

 

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デザインもシンプルながら高度な切削技術によってケースの稜線もしっかり出ています。この辺りは高級時計と比べても遜色ありません。

ベゼルはサーメット、ケース、ブレスはステンレスに「デュラテクトα」が施されています。

デュラテクトαは金属の感じを残しながらセラミック並みのビッカーズ硬度2000~2500もあります。サーメットは約1800のビッカーズ硬度です。

このデュラテクトαは本当に素晴らしい技術です、以前は限定モデルとザシチズンの一部ににみ施されていたのですがエコドライブワンに標準装備されて驚きです。

 

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こちらのエコドライブワン、スイスメーカーでは決して作れない技術の塊です。それが400,000円で買えるというのはバーゲンプライスだと言えます。

実際に日本よりも海外での評価のほうが圧倒的に高く売れているのも海外のほうが売れているとか?

 

総合評価   84点

 

(各項目25点満点)

 

デザイン: 18点

デザインはいたってオーソドックス。細かいところだと針がつや消しと艶出しにして暗所でも時間がわかりやすくなっている。この薄型ケースに合わせるブレスレットはなかなか選ぶのが難しかったと思うがケースとブレスのデザインバランスがいまひとつ。

外装: 23点

サーメット、デュラテクトαという最強のコンビネーション。特にデュラテクトαはシチズン独自の技法でステンレスの質感そのままに硬度を10倍にしているのが素晴らしい。

ムーブメント: 24点

 シチズン独自の世界に誇るムーブメント。1mmにこだわり電池や歯車まで一から見直したのはさすが。これをまた自社で製造できるシチズンの技術力を誇示する渾身の一本です。

コストパフォーマンス:19点 

400,000円というのは安くは無いがほぼ全て一から見直して設計した点を考えると1,000,000円以下で量産できたことが素晴らしい。決して安くは無いが買っても絶対に後悔しない一本。